野原越年草帰化薬用(モルヒネ)麻薬栽培禁止植物
別名 | セチゲルゲシ | |
分布 | 北アフリカ原産 地中海沿岸原産 (日本の帰化植物記載) |
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花期 | 3〜5月 | |
環境省RDB | 記載なし | |
千葉県評価 | 一般有害(G) | |
異説など | 従来独立種とされてきたが、モルヒネを含むなどの理由でケシの亜種(* Ylistなど)として扱われることもある。学名は千植誌記載のもの。 | |
掲載図鑑 | ||
千葉県植物誌 | 224/230/982 | |
日本の帰化植物 | PL25-5/79 (学名は*で記載) |
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帰化植物写真 図鑑 |
81 (学名は*で記載) |
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かなりきれいな花だが、存在自体が禁止されている少々哀れな花。通報後、専門家が確認の上一本残らず抜いていった。かわいそうだが、悪用するものがいるので仕方がないところ。花の色は赤から紫で花弁の中央の斑紋は出るものと出ないものがある。 2003/05/06 群馬県 |
一般的にはあまり知られていないが、世の中には野生することも許されない植物がある。いわゆる、麻薬の原料とされるものがそれにあたり、日本ではケシ、大麻などがそれ。この花も良く帰化しているらしいが、ケシの仲間で少ないながらもモルヒネを含有するため発見次第通報が義務づけられている。
この花との出会いは鳴神山の帰り道のこと。最初見たときは本当にアツミゲシか自信は持てなかったが、手元の図鑑の特徴には良く一致したので簡単に写真を撮影し、念のため専門家の意見を仰いだところ、やはりアツミゲシであるとの判断。自宅から電話しても良かったが、特徴のわかる写真を撮影するため再び現地へ出向き、この写真を撮影後、警察に通報した。場所が場所だけに悪用されるおそれも高かったため、花好きとしては半ば断腸の思いだった。
ところでこの名前、最初の発見地が渥美半島と言うことだが、発見当初かなり大量に群生していたために自衛隊まで出動し、火炎放射器やら重機やらを利用して徹底駆除し、そのこともあってこの名前が付いたという。私はかなり大量に帰化していることで知られるナガミヒナゲシに対して実が厚いからアツミゲシなのだろう、と思っていただけに少々意外だった。
咲くことすら許されぬ花、アツミゲシ。またどこかで出会えるかもしれないが、そのたびに死刑を宣告せざるを得ないのは複雑だ。
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