野原/道ばた冬緑多年草(球根)史前帰化観賞用/薬用(球根)有毒(球根)
秋の彼岸のころ真っ赤な花を咲かすことから彼岸花という。開花時期と血を連想させる花の色からあまりいい印象が持たれないらしく、死人花や幽霊花といった縁起の良くない別名も多い。聞くところによると全国に600以上の方言・別名があるらしく、千葉県内だけでも82もの地方名がある。
それほどまでに親しまれた植物だが、在来種ではなく稲作とともに渡来した史前帰化植物とされる。在来ヒガンバナはすべて3倍体で種子はごくまれにしかできない。たまたま3倍体のみ渡来したとも考えにくいので、元々の2倍体個体、つまりシナヒガンバナが変異した上に何らかの理由で3倍体個体のみ生き残った、と考えてみた。当てずっぽうもいいところだが、ワラベノカンザシのような農薬による変異が確認されているので、あながち間違えではないかもしれない。
学名上ではこちらが母種にあたり、シナヒガンバナが変種にあたる。3倍体が基準種というのもおかしい話だが、おそらくこちらの方が先に学名がつけられたのだろう。命名規約上先につけられたものが基準種になるので仕方ないのだが、ほかに知られたところでは希少なフジスミレがヒナスミレの基準種、最近では希少種のアズマシライトソウがシライトソウの基準種と学名変更された例がある。かなり変に思われるだろうが、国際的な規約なのだから仕方ない。
純白の品種をギントウカというが、ショウキズイセンとの雑種をシロバナマンジュシャゲと呼ぶせいか、ネット上ではシロバナマンジュシャゲ=ギントウカという混乱が見られる。明らかに違うものなのでネット上の情報を鵜呑みにしてほしくないものだ。私もweb開設者である以上正確な情報提供を常に心がけていきたい。
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